心の浄化こそ人類への処方箋

中国佛教協会副会長、中国側首席代表
明生

「衆生平等」「自他不二」という平和理念は、ブッダが仏教を説いた根本目的であり、世間を教化する重要な思想であります。この平和思想を実践し広めていくことは、中韓日三国仏教界の兄弟である私たちの共通した心の声であり、使命でもあります。

今年は第二次世界大戦の終結から70年です。人類は戦争の恐ろしさを知っているからこそ平和を大切にすべきなのに、歴史の記憶が薄れつつあります。争いの歴史が繰り返されるのを防ぐため、平和を擁護する切なる願いを世界に伝えていくことが三国仏教界の責任であると受けとめています。

近代の工業文明の進歩は、物質的な利益の追求と消費を促す欲望を生みました。その欲望を満たすには、資源の占領と利用が不可欠。現在、世界で起きているさまざまな矛盾や衝突は、利益をめぐる複雑な問題がつくり出したものなのです。世界の危機の背景に人類の膨張した欲望、極端な利己主義があるのは明らかです。

地球上には二百あまりの国と地域があり、異なる民族と部族が存在します。しかし、異なった価値観や文化は、それぞれの是非が問われるものではありません。歴史や文化に育まれた民族信仰と文化的特徴こそ、それぞれの民族の精神的支柱だからです。相手を理解し尊重し、包容する態度が理想でしょう。

しかし国際情勢を見ると、狭量なナショナリズムは目に見えない形で存在し、時に暴力や政治的手段を用いて侵略を行おうとします。異なる地域の文化を尊重して初めて紛争を回避でき、平和共存できることを私たちは認識すべきです。

衝突や危機については、仏教が解決方法を示してくださっています。利己主義や狭量なナショナリズムは、貪(とん)・瞋(じん)・癡(ち)の表れです。心の毒を取り除くことで心が浄化され、人類の脅威である利己主義やナショナリズムはおのずと成長する土壌をなくし、衝突や危機が本当に解消されることになります。

心の浄化は、心をかき乱す煩悩を食い止めることです。それは個人でも、国家でも同じです。私たち仏教徒は、心の浄化を方法とする恒久平和のためのビジョンを提唱すべきだと思います。心の平和こそ、人類の平和に通じる処方箋(せん)であると世界の人々に知って頂きたいのです。

Copyright © 2009-2012 longquanzs.org All Rights Reserved. 版权所有