対話を重ね「黄金の絆」さらに

日中韓国際仏教交流協議会理事長
天台宗比叡山求法寺住職 武覚超

「日中韓仏教友好交流会議」の原点は、中国佛教協会の会長を務めた趙樸初師が示された「黄金の絆」にあります。この絆は三国が釈尊の教えを通して古くから結ばれてきたことを意味し、その源流は二千数百年前にまでさかのぼります。私たち三国仏教徒の固い絆を改めて確認するとともに、「すべての人々の心に平和を構築する」という仏教の共通の役割を果たしていくために、日本を代表して三つの取り組みを提唱します。

一つ目は「仏教徒としての祈りを大切にする」ことです。祈りの原点は真理を悟られた如来への帰依にあります。如来の真の目的は、大慈悲の心ですべての衆生の苦悩を除き、最終的には仏の悟りを得せしめるという「一仏乗」にほかなりません。

また、日本浄土教の元祖・恵心僧都源信和尚は著書『往生要集』の中で、阿弥陀仏の姿を心に思うことで、仏さまは私たちの願いを受け取ってくださると説いています。私たちは改めて真摯(しんし)な姿勢で日々の祈りに向き合っていくことが大切でしょう。

二つ目は「布教についての姿勢を見つめ直すこと」。中国の南岳慧思禅師は、素晴らしい仏の悟りを得ても布教しなければ仏法の種を断つと、厳しく弟子を諭されました。仏祖釈尊は、悟りを開かれた後も衆生救済のために入滅まで法を説き続けられました。これこそ、己を忘れて他を利する「利他」の活動であり、大慈悲心の発露です。この仏の心、「道心」を自らのものとし、人々のため、社会のため、ひいては世界のために仏の法を説き示していかなければなりません。

三つ目は「諸宗教対話のさらなる実践」です。真の世界平和実現のために、私たち仏教徒が異なる宗教といかに向き合っていくかも大きな課題です。これまでにも、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の呼びかけで開催された「アッシジ平和祈願の日」や、その精神を引き継いだ「比叡山宗教サミット世界平和祈りの集い」など、宗教対話が進められてきました。その経験を踏まえ、今後さらに宗教宗派の垣根を超えて互いに対話を促進し、相互理解や協力を推し進め、共に平和を祈ることが大切であると考えます。

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